ITインフラを知る

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ITインフラとは

私たちの生活は「インフラ」と呼ばれるものによって支えられています。たとえばガス・電気・水道などの「社会インフラ」や、道路・鉄道・空港などの「交通インフラ」があります。

これらのように“生活に欠かせない基盤”を「生活インフラ」と呼びますが、現代社会では「ITインフラ」も生活インフラに含まれるようになりました。しかし、ITインフラと聞いて、どのようなものを指すのかイメージできる方はそう多くないと思います。ここでは「ITインフラ」について説明していきます。

ITインフラとは?

ITインフラを理解するには、まずインフラという言葉の意味を知る必要があります。インフラとは英語の「Infrastructure(インフラストラクチャー)」を略したことばです。「infra(インフラ)」は「下部」を意味し、「structure(ストラクチャー)」は「構造」を意味します。したがって、インフラとは「下部構造」ということになり、言い換えると、何かを円滑に行う際に必要不可欠な存在となるもの、ということになります。

つまり「ITインフラ」とは“IT社会に欠かせない基盤”を指します。ITインフラを指すものの例は以下の通りです。

  • パソコン

    パソコン

    パーソナルコンピュータの略称で、個人向けのコンピュータを指します。さまざまな計算をはじめ、文書作成、画像や動画の編集などを行うことができるコンピュータです。

  • サーバ

    サーバ

    パソコンやスマートフォンなどのデバイスからの要望に応じて、さまざまなサービスを提供するコンピュータです。例えば、オンライン上であればWebサーバやデータベースサーバが該当し、ローカルネットワークであればファイルサーバなどが該当します。

  • ストレージ

    ストレージ

    データを保管したり、保存したりするための場所のことです。外付けハードディスクやUSBメモリー、またインターネット上に保存できるオンラインストレージなどがあります。

  • テープ

    テープ

    災害時のデータ消失などに備え、バックアップを保管するためのメディアや媒体のことです。

  • ネットワーク

    ネットワーク

    パソコンやサーバ、またはサーバ間で相互に接続し通信を行う環境のことです。

  • スマートフォン(スマホ)

    スマートフォン

    従来の携帯電話機能に加えて、ネットワークを介し、さまざまなインターネットサービスを利用することが可能な携帯端末です。

  • クラウド

    クラウド

    ネットワークに接続されたパソコンやスマートフォンなどを通して、データの出し入れや、ソフトウェアを利用することができるサービスです。パソコンやスマートフォンにソフトウェアをインストールしなくても、ネットワークにつながっていればサービスの提供を受けることができます。

  • AI

    AI

    “Artificial Intelligence”の頭文字を取ったもので、日本語では人工知能と訳されます。現代では多くの電子機器にAIが搭載され、さまざまな機能やサービスが利用できるようになりました。

  • RPA

    RPA

    “Robotic Process Automation”の頭文字を取ったもので、ロボットによる業務の自動化を意味するものです。ロボットといっても人型のものや、製造業で利用されている工業化ロボットのことではありません。ここで言うロボットとは、事務作業における入力作業や計算作業など従来人間が行っていた単純作業を代行する、AIを搭載したハードウェアのことを指します。このハードウェアを利用することで、細かい作業が自動化されて業務の効率化を図ることができます。

  • IoT

    IoT

    “Internet of Things“の頭文字を取ったもので、日本語では「モノのインターネット」と呼ばれます。例えば、プリンターやエアコンなど、本来インターネットにつながっていなかったモノをネットワークにつなげることで、電子機器の遠隔操作が可能になりました。

ITインフラエンジニアの役割・仕事内容

ITインフラが生活インフラの一部である現代社会において、ITインフラの設計や構築、保守管理などを専門とする人の存在は必要不可欠です。ITインフラの設計、構築、保守管理などを行う人のことを「ITインフラエンジニア(以下、インフラエンジニア)」と呼びます。 インフラエンジニアの役割は、ITインフラの利用者が滞りなく業務を遂行したりサービスの提供を受けることができるようにすることです。ITインフラの利用者にとってインフラはあって当たり前の存在であり、そのため利用者にとって正常に動いていることが普通です。インフラエンジニアは、あって当たり前の存在を支える、「縁の下の力持ち」のような役割を担っています。

ITインフラの設計、構築、保守管理などはもともと専門性の高い仕事でしたが、それに加えて、近年はクラウドシステムなどが普及し、インフラエンジニアに求められる技術やスキルも高度化しつつあります。

インフラエンジニアの種類はいくつかに分かれており、仕事内容もそれぞれで異なります。
インフラエンジニアの仕事内容をご紹介します。

  • サーバエンジニア

    サーバエンジニアは、サーバの設計や構築、テストなどを行います。近年のクラウドシステムの普及により、求められる専門知識や技術は幅が広く、WindowsやLinuxなどのOSについても高い専門性が求められます。
    お客様が求める要件を満たし、予算などの制約条件にも応えつつ、サーバ環境の設定や、設置、インストール、導入などを行います。

  • ネットワークエンジニア

    ネットワークエンジニアは、ネットワークの構築などを行います。ネットワーク構築はサーバ構築と深いかかわりがあるため、双方の知識や技術が求められます。
    スイッチやルーターなどに直接触れてネットワーク機器を敷設することから、ネットワークシステム構築の工程管理、プログラミングを行うことまで幅広く行います。

  • データベースエンジニア

    データベースシステムの設計、構築、保守点検などを行います。セキュリティに関する高度な専門性が求められます。
    企業や組織には、データベース(DB)と呼ばれる顧客情報などを格納した機器があり、データを紛失したり、漏えいさせてしまうことは企業や組織にとっては避けなければならないことです。そのためデータベースのシステム設計や管理は非常に重要で、取り扱いにも細心の注意が必要です。
    また近年はDBサーバ設計段階から、データベースの使い勝手やメンテナンス、セキュリティ性などを考慮するために、サーバエンジニアと兼任するケースも増えています。

  • インフラ運用エンジニア

    一度導入したITシステムにおいて発生するトラブル対応や保守点検などを担当するのが、インフラ運用エンジニアです。サーバやネットワークの設計や構築が完了し、実際にシステムが企業のオフィスなどに導入されたら、サーバエンジニアやネットワークエンジニアは現場を離れます。しかし一度完了したものでも、使っているうちに不具合が生じることもあります。近年は頻繁にOSのアップグレードが行われるようになり、そのようなアップグレードに伴って、システムが正常に稼働しなくなる、ということもよく起こることです。このように、システムの不具合は、さまざまな領域にまたがり同時に発生することが多いため、インフラ運用エンジニアは、ITインフラに関する知識を網羅的に把握しておく必要があります。

  • インフラ運用オペレーター

    ITインフラを24時間365日監視しているのが、インフラ運用オペレーターです。ITインフラは24時間365日動き続けています。不具合が生じた場合には、速やかに専門のエンジニアに連絡を取ったり、簡易なトラブルであればオペレーターが対応したりします。インフラ運用オペレーターは、インフラエンジニアとして働く人が最初に担当することになる場合が多い仕事です。

  • セキュリティエンジニア

    セキュリティエンジニアは、セキュリティについて考慮されたシステムの設計や構築、またサイバー攻撃を未然に防ぐための調査を行うなど、情報セキュリティに特化したインフラエンジニアのことを指します。個人情報や顧客情報の漏洩などが問題視される現代社会において、需要が高まっているインフラエンジニアです。

  • プリセールスエンジニア

    プリセールスエンジニアは、システムやソフトウェアなどを導入する際に、IT技術の専門的な知識を用いて営業のサポートをするインフラエンジニアのことです。経験豊富なサーバエンジニアなどが、その経験やスキルを活かして営業部門で働くことが一般的です。営業担当者とともにお客様の会社を訪問し、システムや製品について専門的な説明を行います。お客様の疑問や要望に対して専門家としての立場から最適な提案を行い、商談を成功させるのがプリセールスエンジニアに期待される役割となります。

以上がインフラエンジニアの種類と仕事内容です。
次に、インフラエンジニアの基本的な仕事の流れをご紹介します。

1.要件の定義

お客様の要望や予算、設置場所などの情報を収集し、設計するシステムの輪郭を形づくっていきます。この段階で機材の選定を行います。

2.設計

要件に合ったシステムを設計します。

3.構築・テスト

設計したシステムを実際に作り上げます。設置場所に実際に置いたり、機材にログインしたりして設定の反映を行います。
構築が終わった後はテストを実施し、正常に稼働することを確認します。

4.運用・保守

サービス開始後も、導入されたシステムが問題なく稼働しているかを管理(監視)し、不具合に対応します。また、新たに追加できる機能が加わったり修繕が必要になったりしたときには、システムに変更作業を施します。前者が運用で、後者が保守の仕事です。

ITインフラ業界のいま

インターネットやスマートフォンの一般化、またIoTの登場により、ITやネットワークはより生活に不可欠な存在となっています。

ITインフラ業界の中でも勢いを増しているのが、クラウドITシステムです。国内におけるクラウドIT市場の成長率は前年と比べて増加しており、中でも一般ユーザーや企業向けにクラウドコンピューティング環境をネット経由で提供するといった、パブリッククラウド市場が著しく成長しています。 この成長の背景にあるのは、世間に広まるデジタルトランスフォーメーション(ITの浸透が人々の生活をより良く変化させる、という考え方)に基づく、さまざまな企業のITインフラに対する新規需要の増加と、クラウドシステムの急速な普及です。

ITインフラ業界の今

ITインフラエンジニアのこれから

先述のように、今後はクラウドシステムを中心にしたITインフラ事業が拡大していくと考えられます。また、RPAやIoTの登場によって、インフラエンジニアの働き方が変わっていくことが予想され、一部はかわってきています。

ITインフラの管理や保守などを行う場合、これまではサーバやネットワークのある場所まで足を運んで確認する必要がありました。これがクラウドシステムの普及により、インフラエンジニアは実際に出向くことなくトラブルの確認や保守ができるようになりました。クラウド上では、ソフトウェアを使ってITインフラの管理を行うからです。

ITインフラ業界の今後

一方で、物理的な管理からクラウドによる管理に変わったことで、インフラエンジニアに必要な知識や技術は増えていきます。サーバやコンピュータといったハードウェアに関する知識だけではなく、クラウド上で操作するためのソフトウェアの知識も必要になります。もともと、日々新しくなる技術を身につけることが必要な職業ではありますが、ここにきてそれはさらに、加速度的に必要性を増しています。その分インフラエンジニアの人材は貴重であり、ITインフラ業界において今後も需要が伸びていく職業のひとつであると言われています。

ITインフラを取り巻く環境は今後も大きく変わっていくと予想されます。著しい技術革新のさなかで、その核心部分近くで仕事を行うことができるITインフラエンジニアという職業はたいへんおもしろいものです。環境の変化にあわせて知識や技術を身につけていくことで、数年後に振り返ったときには、それまで想像もしなかった景色を見ているかもしれません。